三重県伊賀市にある森喜酒造場。
伊賀地方の北部にあたり、昔から水と米に恵まれている場所です。
伊賀忍者野の里、伊賀牛でも有名なところ。
創業は1893年(明治26年)の蔵元がつくる「るみ子の酒 特別純米酒」を口コミレビューします。
日本酒度は+6の中辛口。
純米の特徴であるコクと厚みがあり、とても力強い飲みごたえのあるお酒。
とはいえ、なぜか優しさを感じるのは女性杜氏がつくる所以?
このお酒に合わせていただきたいのは、カマンベールチーズやクリームチーズなどのやわらかなタイプのチーズですね。
るみ子の酒 特別純米酒に合わせるならクリームチーズがオススメ

もし、このるみ子の酒 特別を買ってみようかな?と考えていたら。味わいが濃厚なクリームチーズがオススメです。
お刺身やサラダなどに合わせると、お酒自体のコクが強く飲みごたえがあるので、さっぱりしたものは味わいが消されてしまい、食事が負けてしまう感じがします。
純米酒は、コクがあってふくよかさがあるのが特徴の日本酒。
合わせるなら、しっかりした味付けの料理がベストパートナー。
例えば、煮物、肉料理、野菜炒め、魚の煮付けなど。
そして、意外にもチーズが合うんです。
日本酒にチーズ?と思われるかもしれませんね。
普通はワインとかでしょ?と。
確かにワインにチーズは安心の食べ合わせ。実際によく合います。
が、そう考えているなら、もしかしてお酒の楽しみ方を損しているかもしれませんよ。
なんといってもこのるみ子の酒 特別純米酒は純米酒。
純米酒、炊いたご飯に合う料理なら、だいたい合うと言われているお酒です。
食事あってこそのお酒、と考えているならチーズと合わせるのを試してみるのは驚きと納得の体験になるでしょう。
チーズと日本酒は合うの?

ところで、チーズと日本酒が合うと言っているけれど、ほんとに合うの?
そう思われているかもしれません。
確かに、チーズはワイン、特に赤ワインと合わせるのが普通だよ、一番おいしいんだ、一般的にはそう思われています。
ここで、チーズと日本酒には、ある共通点があります。
それは、どちらも発酵食品だということ。
日本酒はお米を発酵させて作ったもので、チーズは乳酸を発酵させて作っています。
また、日本酒はアミノ酸が多く含まれていて、これが旨味の元になるのですが、どちらかというとクセのあるチーズをうまく取り入れて、どちらもおいしくなるというわけです。
特に寒くなる季節の定番お燗酒にすると、さらにうまさがアップ!
チーズは熱を加えると旨味が増します。
チーズを一口、お燗酒を一口。
口の中でそれぞれの旨味が混ざり合い、幸せな体験ができます。
るみ子の酒 特別純米酒はどんな酒?

るみ子の酒 特別純米酒が目指すのは、飲みあきしないいつまでも飲んでいたくなる酒。
大の呑んべいであるこの蔵の社員であり、イラストのラベルのモデルでもある森喜るみ子さんならではの発言ですが、実際に普段の食事にないとさみしいな、というお酒です。
造り方は純米酒。
純米酒とは、米・米麹・水のみで造られる混ぜものない手間暇のかかるつくりのお酒。
しかもお酒として出来上がってから数年は熟成させてから出荷しています。
熟成させることで、出来たばかりの日本酒特有のピリピリとしたトゲのある味わいがまろやかになり、食事と一緒に楽しめる酒質になります。
るみ子の酒 特別純米酒の味わいは?

さてこのるみ子の酒 特別純米酒の味わい、とてもパワーがあります。
パワーがある、というのは漠然としていて分かりずらいですよね。
お酒つくりの段階でいろいろなことを気にして手間をかけないと、厚みのあるコクがたっぷりとある酒質にはなりません。
例えば、お米を洗うとき、水に浸すとき、麹をつくるとき、発酵させるとき、出来たばかりのお酒をしぼるとき、熟成させるとき、などこんな日本酒にしたいな、というのがしっかりとあってそれに合わせてつくりを進めているからに他なりません。
それは実際に飲んでみるとよく分かるかと。
色合いは昔ながらの純米酒つくりをした日本酒特有のほんのりとした山吹色。
香りはほんのりと感じる程度、例えると焼き栗のようなほっこりした感じです。
口に含んでみると、厚みのあるコクのある味わいに驚きます。
といって飲みづらいかというと、そんなことはない、するっと口の中に広がるやわらかさもあります。
オススメの飲み方は?

このるみ子の酒 特別純米酒のオススメの飲み方、それはやはりお燗です。
お燗にするとやわらかさが口の中でグワッと広がるのです。
そしてスッと口の中で消えていき、また飲みたくなる。
オススメのお燗の温度は、熱燗と言われる温度で。
熱燗は、50度くらいに熱めに温めます。徳利から湯気が出て触ると熱く感じるぐらいです。
熱くなったばかりのお酒は、人によってはやけどをしてしまうぐらいの温度ですが、ああこれはうまい!と思わずうなってしまう味わいになっていますよ。
また熱が飛んで冷めたころ、いわゆる燗冷ましがこれまたとびきりのうまさです。
これに例えば、クリームチーズと酒粕を和えたものが、最高のお酒のあてになります。
るみ子の酒 特別純米酒は三重県上野市にある森喜酒造場で

三重県伊賀市にある森喜酒造場。
伊賀の里としても有名なお米どころの土地にこの蔵はあります。
創業は1893年(明治26年)、先代の社長であるお父様が突然病に倒れてから娘である森喜るみ子さんが家業である蔵を継ぐことになりました。
つくるのはすべて手作りの純米酒のみ。
身重の体で杜氏さんから酒つくりを手取り足取り習い、つくりに忙殺されていました。
継いだ当初は全く売れず、お先真っ暗の状態。
そんなとき尾瀬あきらさん作の「夏子の酒」という漫画に出会います。
夏子の姿とご自分の姿が重なり、思いの丈を涙しながら手紙にしたため、尾瀬さんに送ったそうです。
それからいろいろなご縁があり、やっとの思いで生まれたのがこの「るみ子の酒」です。
お酒の名前は尾瀬あきらさんが名付け、ラベルも描いてくれたそうです。
まとめ
るみ子の酒 特別純米酒は、この蔵を代表する純米酒。
厚みがありとてもパワーのある、それでいてまろやかさもあるこのお酒は、お燗酒が飲みたいなぁという時、ぜひオススメのお酒です。]]>